取引先へのお歳暮は贈るべき?小さな会社・個人事業主の判断と選び方

2026.10.30
お歳暮 取引先
執筆:Maison Yuki代表

この記事の結論

  • 取引先へのお歳暮は義務ではない。最初に「相手が受け取れるか」「毎年続けられるか」を確かめてから、贈るかどうかを決める
  • 会社宛なら職場で分けやすい個包装の品、個人宛なら相手の家で使い切れる消えものが基本。宛先によって選び方が変わる
  • 受け取りを禁止している相手、契約や見積もりの判断が近い相手、一度きりのお礼で済ませたい相手には、お歳暮以外の形を選ぶ

独立して初めての年末、あるいは小さな会社で取引先とのつきあいを任されたとき、「取引先にお歳暮は贈るものなのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、取引先へのお歳暮は義務ではなく、相手が受け取れるか、毎年続けられるかを確かめてから贈るかどうかを決めるのが基本です。贈ると決めたら、会社宛か個人宛かで品物を選び分けます。

この記事では、大きな会社のように贈答の決まりがない小さな会社や個人事業主が判断に迷いやすい点を中心に、贈る前の確認、宛先別の選び方、送り状、そして贈らないほうがよい場面を解説します。お歳暮全般の相場や時期、のしの基本は、関連記事の「お歳暮は何がいい?」で詳しくまとめています。

取引先へのお歳暮は「贈るかどうか」から決める

お歳暮は、一年間お世話になった相手に感謝を伝える贈り物です。取引先に贈ることは昔からある習慣ですが、贈らなければ失礼になるものではありません。贈答そのものを控えている会社もあります。

また、お歳暮は一度贈ると翌年以降も続けるのが一般的とされます。一年目に勢いで贈ると、続けるかどうかに毎年悩むことになります。最初に次の点を考えておくと、判断がぶれません。

贈る前に確かめたい3つのこと

  1. 相手が受け取れるか:取引先によっては、社内の規定で贈り物の受け取りを禁止しています。官公庁や公的な機関の職員も、立場上受け取れない場合があります。日頃のやりとりの中で、担当者にそれとなく確認しておくと安心です
  2. 毎年続けられるか:取引先が増えると、お歳暮の数も増えます。一社だけでなく、同じような関係の取引先全体で続けられる金額と手間かを考えましょう
  3. どちらがお世話になっているか:仕事をもらっている相手に贈るのが基本ですが、こちらから仕事を依頼している外注先や協力会社から届くこともあります。届いた場合は、お礼状を出すのが最低限のマナーです。今後も長くつきあう相手なら、翌年からこちらも贈る、年末の挨拶で感謝を伝えるなど、関係に合った形を選びましょう

会社宛か個人宛かで選び方を変える

取引先へのお歳暮は、会社(部署)宛に贈る場合と、担当者や社長など個人宛に贈る場合があります。どちらにするかで、向いている品物が変わります。

宛先向いているもの避けたいもの・注意点
会社・部署宛個包装のお菓子、ドリップコーヒーや紅茶、日持ちする飲料切り分けが必要なもの、要冷蔵品、人数に対して量が少ないもの
少人数の事務所宛少量で質の良いお菓子やコーヒー、事務所で使える日用品大容量の詰め合わせ(持て余されやすい)
個人宛(自宅に送る)相手の家で使い切れる食品や日用品家族構成がわからないのに量の多い生もの。自宅の住所を本人に確認せずに送ること
個人宛(会社に送る)持ち帰りやすい小ぶりなもの重いもの、かさばるもの

会社宛の場合、受け取った担当者が社内で配ることが多いため、数が多く分けやすいものが喜ばれます。個人宛の場合は、自宅に送ってよいかどうかを先に確かめましょう。仕事上の相手に自宅の住所を尋ねるのは、相手によっては負担に感じることもあります。

筆者のTips

小さな会社では、取引先への贈り物を決める社内の決まりがないことも多く、贈るかどうかを自分で判断することになります。その判断を毎年迷わないために、最初の年に「誰に・どの形で感謝を伝えるか」の基準を決めておくと、取引先が増えても続けやすくなります。

送り状と届いたときのお礼

お歳暮を配送で贈る場合は、品物とは別に、挨拶の手紙(送り状)を送るとていねいです。送り状には、一年の感謝、お歳暮を送ったこと、来年もよろしくお願いしたいことを短く書きます。品物に挨拶状を同封する形でもかまいません。

取引先からお歳暮が届いたときは、できるだけ早くお礼を伝えましょう。仕事上の相手なら、まずメールや電話で受け取ったことを伝え、あとからお礼状を送るとていねいです。お歳暮はお礼の品なので、お返しは基本的に必要ありませんが、こちらからも贈る関係にするかどうかは、上の「贈る前に確かめたい3つのこと」に沿って判断します。

取引先にお歳暮を贈らないほうがよい場面

取引先へのお歳暮は、相手との関係や時期によっては、感謝のつもりが誤解を招いたり、相手を困らせたりすることがあります。次のような場面では、贈らない、またはお歳暮以外の形にしましょう。

  • 相手が受け取りを禁止している:規定で禁止されているのに贈ると、担当者が返送や上司への報告をしなければならず、手間をかけさせてしまいます。「虚礼廃止」などの案内が届いた相手にも贈りません
  • 契約や見積もりの判断が近い:新しい契約や価格の交渉が進んでいる時期に贈ると、見返りを期待しているように受け取られるおそれがあります。この時期は、言葉での年末の挨拶にとどめるほうが無難です
  • 今年だけお礼をしたい:お歳暮は継続が前提の贈り物です。一度きりのお礼なら、表書きを「御礼」にして贈ると、相手に翌年以降の気遣いをさせずに済みます
  • やりとりをやめたい:急にやめるより、年末の挨拶状やメールで日頃の感謝を伝える形に切り替えるほうが、関係を損ねにくくなります。やめるかどうかは、取引の続き方も含めて判断しましょう

まとめ

取引先へのお歳暮は義務ではありません。まず、相手が受け取れるか、毎年続けられるか、どちらがお世話になっている関係かを確かめてから、贈るかどうかを決めましょう。贈る場合は、会社宛なら職場で分けやすい個包装の品、個人宛なら相手の家で使い切れる消えものが基本です。受け取りを禁止している相手や、契約の判断が近い相手には、言葉での挨拶に切り替えるほうが、感謝が誤解なく伝わります。

よくある質問

Q. 今年から夫が一人で仕事を始めました。仕事を依頼している協力会社からお歳暮が届いたのですが、こちらからも贈るべきでしょうか?

A. まずはお礼の連絡とお礼状を出しましょう。お歳暮はお礼の品なので、お返しは基本的に必要ありません。今後も長くつきあう相手なら、翌年からこちらも贈る、年末の挨拶で感謝を伝えるなど、関係に合った形を選べば失礼にはあたりません。

Q. 独立して初めての年末です。取引先には全部お歳暮を贈ったほうがいいのでしょうか?

A. 全部に贈る必要はありません。お歳暮は毎年続けることが前提なので、続けられる範囲で、特にお世話になった相手に絞るのが現実的です。贈らない取引先にも、年末の挨拶をメールや手紙で伝えておくと、感謝はきちんと伝わります。

Q. 取引先にお歳暮を送ったら、「規定で受け取れない」と返送されてしまいました。どう対応すればいいですか?

A. 返送は相手の規定に沿った対応なので、気にしすぎる必要はありません。受け取ったことを確認したら、手間をかけたことへのお詫びと、日頃の感謝を短く伝えましょう。翌年からは、その取引先には品物を贈らず、年末の挨拶に切り替えます。

Q. 取引先の担当者個人にお歳暮を贈りたいのですが、自宅の住所を聞いてもいいものでしょうか?

A. 仕事上の相手に自宅の住所を尋ねるのは、相手によっては負担に感じることがあります。個人に贈りたい場合でも、会社宛に送り、持ち帰りやすい小ぶりな品にする方法があります。自宅に送るのは、相手から住所を教えてもらえる関係の場合にとどめましょう。

Q. 取引先とのお歳暮のやりとりを、来年からやめたいと考えています。角が立たない方法はありますか?

A. 急に品物をやめるより、年末の挨拶状やメールで日頃の感謝を伝える形に切り替えると、関係を損ねにくくなります。相手から先に「今後はお気遣いなく」といった案内が届いた場合は、それに合わせてやめるのが自然です。

挑戦する人にこそ、リセットの時間を

一年の終わりに取引先の顔を思い浮かべる時間は、自分の仕事を支えてくれた人を振り返る時間でもあります。挑戦を続ける人ほど、年末まで走り続けて、自分の区切りを後回しにしがちです。Maison Yukiは「挑戦し続ける人にこそ、リセットの時間を。」という考え方のもと、手を洗うほんの数十秒が、ほっと一息つくきっかけになることを願って香りをつくっています。

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